日本のクルーズマーケット拡大に向けて
「ジャパン・クルーズ・シンポジウム」が福岡で開催された。(以下記事から)
中国発着のクルーズを中心に続々と外航客船が来港し、日本でのクルーズ拠点として注目されている。インバウンドの受入れ体制の整備以外に、ソースマーケットとして日本人を送り出すハブ港としての意識もある。アウトバウンドを促進する決定打は、2011年に大量供給される予定のカジュアルクルーズ。今回は日本のアウトバウンド・クルーズ市場活性化について、同シンポジウムの議論をまとめた。
クルーズ客船の誘致の上でもアウトバウンドの需要を増やさなければ、安定的な配船を実現することは難しいとの指摘がある。この指摘に応えて、同シンポジウム開催地の福岡市港湾局局長の池田薫氏は、博多港の課題として「インバウンドとアウトバウンドの均衡」をあげる。ただし、アウトバウンドのクルーズは日本で長く取り組まれてきたものの、思うような成果は得られていない。
市場の伸び悩みを分かりやすく表すのは、イギリスと比較した数値だ。日本で初の客船が建造され、「クルーズ元年」と謳った1989年の翌年の1990年、日本とイギリスはほぼ同じ市場規模で、イギリスが18万人、日本は17万5000人であった。しかし、その18年後の2008年はイギリスは147万人だが、日本は19万人と20年前とほぼ同じ水準にある。(表1)
その理由として、九州運輸局次長の澤山健一氏をはじめ複数の登壇者が指摘する点は、日本ではクルーズ船が「ラグジュアリー」という認知になっていること。クルーズは高級なもので贅沢な遊びという認識が広まっているという。ただし、現在は中国を発地とするクルーズ客船が増加しており、この動向をきっかけに日本でのクルーズに対する新しい認識として、「カジュアル」への理解が深まると期待されている。 この「カジュアル」はポイント。今豪華客船うんぬんで、イメージが「クルーズは高級=値段が高い」の印象は否めない。でもこの「カジュアル」がキーワードで、普段着のようにクルーズ7を楽しむしかけることが必要。 JTBのH.O社員はこのクルーズのビジネスに、残りのビジネス人生をかけようとしている。 彼の夢は現実に一歩一歩近づいてはいるものの、まだまだハードルは高い。今はタイミングは悪すぎるが、イギリスでのこの10年間の実績があるように日本でもその可能性は占めている。
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