2010年1月29日金曜日

『修学旅行と観光』 1


ここからしばらく修学旅行、教育旅行と観光について述べてみたい。内容はちょっと古い1995年ころ書きためためたもので、結構その後webに掲載したら、全国の教育旅行コンサルタントらしき輩からパクられた情報です。この秋にはいったん印刷物にして公表したいと思っています。

修学旅行の実施は従来から参加する生徒自身のみならず、受けれ入れる地域や広義な意味で国内旅行の振興に多くの場面で貢献してきた。修学旅行の実施は今や「人を育て、地域を活性化し、交流の機会増大に寄与するもの」といえる。修学旅行が果たしてきた効果について独断的に考えてみた。

一.「修学旅行は地域活性化の源」

 修学旅行では多くの生徒が全国各地に移動する。そこから生まれる観光や宿泊、移動にから発生する経済効果は地域の経済を活性化し、そこに住む人々の生活に関わってきた。修学旅行は地域の活性化に役立ってきたのだ。修学旅行で生徒が地域で消費する内容は、宿泊、食事、交通、土産、入場など多岐にわたり、また関連する消費需要も多い。考えてみれば衣食住に関係するほとんどのことが、他の地域からきた人により地元に還元されているわけである。その意味では一般の旅行者にもいえるが、景気に左右されず定期的に消費される需要である点は見逃せない。しかも修学旅行では一般旅行者がたくさん訪れる観光地や名所、時期は敬遠しがちな性格からしても閑散期の受入れはありがたいものである 財団法人修学旅行協会資料によると、1994年修学旅行人口は497万人、総旅行費用は2748億円である(小学校も含んでいる)。これを高校中学校別にみてみると、高校での修学旅行人口は159万人、総旅行費用は1436億円である。中学校での修学旅行人口は177万人、総旅行費用は939億円である。このうち宿泊費と入場拝観料は行き先の地域で消費されると大まかに試算すれば、高校で地元におちるお金は686.4億円、中学校で370.9億円とこのくらいになる。総額約1057億円である。これにその他費用が含まれば、これ以上の消費が実存するわけである。まさに修学旅行は定期的に地域にお金を落していただけるありがたい団体なのである。閑散期の一般旅行者は鬼に見えるが、閑散期の修学旅行はみんな福沢諭吉の顔に見えるというのもあながち嘘ではないだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿