2010年2月10日水曜日

修学旅行費用は本当に割高なのか?4

<勘違い4>旅行業界における「仕入れ」というものについて
旅行業界に対する指摘として、心無い一部の業者での「ゲタバキ」ということが挙げれられる。
ここでは宿泊機関(旅館ホテル)との関係から検分してみよう。
この業界には確かに悪質なゲタバキを行っている悪徳業者もいることだろう。勘違いしないで欲しいのは、「仕入価格」というのは資本主義にそった正規の経済システムのうえに成り立っているということだ。「ゲタバキ」とは一般の小売値にプラスして業者が利益を上乗せすることだ。ここらの勘違いがよく報道される、コミッション(送客手数料)とゲタバキ(不当収入?)が素人目には同一に映るらしい。
例えば、一般の流通ルートで説明してみよう。
ここに小売り価格300円のトマトがあるとしよう。このトマトは、農家(生産者)−農協(卸・問屋)-スーパ(小売り)−消費者という流れの中で最終的に消費者が購入したものとする。仮にこのトマトは、農協が定期的に、一定数を仕入れることを条件に、農家から100円で仕入れたとしよう。さらに農協は150円でスーパーへ卸し、スーパーも定期的に、一定数を農協から仕入れることを条件に、150円で仕入る。そして150円の利益をのせて店頭では300円で並ぶことになる(例)。これに異議を唱える人はいるだろうか?何ら不思議なことはない。おまけに普段ならこの300円のトマトをタイムサービスで250円で販売すれば、売り手買手ともお互いハッピーではないか?普通の流通ルートで正当な商行為に間違いない。
これを旅行会社が行ったとして、どこが可笑しいというのか。万が一旅行業界でのこのシステムが違法だというのなら、先の農家の150円のトマトは、150円で消費者に提供する義務が農協とス−パ−には発生するはずだ。でもここにはこの当たり前の疑問が発生しない。それは日本が資本主義国家であるからだ。しかし結局、日本経済は旅行業界を問わずこれと同様のシステムなのだ。
旅行エージェントは、旅館ホテルから仕入交渉を行い。安く仕入れて、なおかつ通常の宿泊料金より安く設定して大量販売するのだ。だから旅行会社を通すほうが直接旅館ホテルに予約するより価格は安く、サービスもいい。もちろんここには低価のひきかえに旅行会社にはお客さんを送るという義務が発生していることはいうまでもない。大量送客を前提とした仕入価格の設定の元で、このシステムは成り立っているのがお分かりだろうか?しかし、これがギャランティ(保証)できない業者は当然先の「ゲタバキ」ということをすることになる。これでは300円のトマトを350円で売るようなものである。もちろんコミッションは、日本が社会主義でない限り、正当な商業行為である。旅行業者と関係機関との間において、たくさんのお客さんを斡旋した業者に多くの手数料が支払われ、仕入れ値も低くなることは、トマトの例でもごくごく当たり前のこと。一個の品物を買うより、まとめて1万個買ったほうが一個あたりの単価が安くなるのは小学生だって知っている。(格安航空券の時われわれは身を持って体験したではないか)
あくまで日本が資本主義、民主国家であることを前提にしていっているのだが。
これに不満な旅行者は、泊まりたいホテルに「今後1年間1万人を紹介(送客)するから、今夜の宿泊料金を1,000円値引きしろ」といって交渉してみたらいい。これで絶対値引きはされることは間違いない。これが日本のシステムなのだ。
ただ正直なところこういうシステムが理解できても何となくすっきりしないのは、「旅行」という商品が目に見えない「無形商品」であるからにすぎないと、私は思っているのだが、思い過ごしだろうか??形の見えないサービスにお金を出したくないという日本人の性かもしれない。

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