2010年2月1日月曜日

『学校週五日制と特別活動』

学校週五日制と特別活動』 1995年時点で執筆。
1995年4月から月2回の公立学校において「学校週五日制」が実施された。1992年の開始当時はレジャ-、旅行業界ではこの時とばかりに、学校週五日制への土曜イベント、ツア-などいろいろな企画を打ち出していたのも記憶に新しい。「学校週五日制」については学校行事の縮小やカリキュラムの編成等の課題が報告されているが、今年3月の毎日新聞の世論調査によると、土曜休日が月二回になることに対しては「賛成52%、反対48%」(毎日新聞社4/18掲載)という結果になっている。 四月の発足した第十五回中央教育審議会においても、国際化・情報化・科学技術教育などと並んで、この学校週五日制が諮問事項として小委員会で検討されることになっている。 ここでは、多少修学旅行とは離れるが「旅行」に関して学校週五日制ではどのようなことが可能なのかを検討してみたい。

一.「家族旅行のすすめ」
 数か月に一度は家族旅行をすすめたい。せっかくの休日にわざわざ家族旅行なんてとお考えかもしれない。
 しかし、親子の関係をより深くするためにもいいのではないか。普段はコミュニケ-ションの機会が少なくなりがちな親子の絆をよりいっそう親密にすることにも役立つ。ここまで書くと現代のあるべき家族関係が相当稀薄になったと思われそうだが、親子関係の再確認にもつながるし、結構子どもが親を見直すいい機会になるかもしれない。
 例えば大金を支払っていく旅行ではなく、キャンプや自然体験を中心とした比較的安価な旅行もおすすめである。車さえあればどこだって体験フィ-ルドになる。そして一緒にするアウトドアでのキャンプやスポ-ツなど、協力しながらつくりあげていく旅行の形が最適だろう。
また。なかなか家族ででかけても宿泊施設では洋室で別々の部屋に寝泊まりすることが多い場合などは、日本旅館での宿泊がおすすめだ。同じ部屋で家族で過ごす一家団欒の時間は何ものにもかえがたい。また違った視点からみると、日本旅館には日本の伝統文化が現代に受け継がれており、その中にはおもてなしの心、礼儀作法などがある。ぜひとも子どもたちと一緒にこのおもてなしの心や旅館の“わび”“さび”を体験してみてはどうか。躾という観点からも効果があるだろう。

二.「連続休日の増加」
 祝日を金曜または月曜に移動させて連休を創出する。また祝日を増やすこと、企業に置ける休日の取得奨励も提案したい。
一年に祝日は13日あるが、何月何日のその日でないと絶対まずいという祝日を除けば、何月の第一週の何曜日と移動指定しても支障がないはず。
ここで例えば、年末年始とゴ-ルデンウイ-クを除く八日を曜日指定にして連休を創出したとすると、宿泊旅行の需要が増加し、年間二兆九六〇〇万円の内需効果が生まれるという。一人一人の力ではどうしようもないが、祝日移動による連休創出には運輸省をはじめ、旅行業界、宿泊業界関連組織等からの要望も多いと聞く。今や国内旅行は低迷のなかにあり、国内旅行の不振が観光産業全体に大きな影響を及ぼしている。国内旅行活性化には、この連続休日の創出、休日の増加による消費需要の増大が不可欠であろう。

三.「子ども旅行をする」
修学旅行でよく耳する「体験学習」を、小学生までの頃に経験していただきたい。ここで教育論を論じるわけはでないが、豊かな知恵は経験と知識のうえに成り立つとすれば、バランス感覚をそなえた人間形成には体験活動は欠かせない。子どもたちだけの自然体験旅行なんかがいいのではないかと思う。「百聞は一見に如かず」という言葉があるが、百回見聞しても一回の実体験には及ばないだろう。机上の見聞では知識は付けど知恵がつかない。大切なことは、頭で覚えた知識と同時にそれを活用する体験をすることだ。それには若いときの経験がいい。「鉄は熱いうち打て」というではないか。同じ世代の児童、生徒が集まって同じ目的に向かって協力しながら考えながら達成していくなんてめったにできないことだ。学校を越えた地域間でこんなことができうる旅行を旅行エ-ジェント、自治体受入れ組織で検討していただければと考える。今なら農業体験、エコツア-など子どもでも参加して体験できる旅行もある。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿